問 題
JISによる、温度80℃の排ガス中ダスト濃度測定のための試料採取で、円形ろ紙を用いる場合の記述として、誤っているものはどれか。
- 有効直径30mm以上のものを用いる。
- ろ紙はあらかじめ105~110℃で、十分乾燥する。
- ろ紙を通るガス流速が1m/s以上になるように、吸引ノズル口径及びろ紙の寸法を選ぶ。
- 吸引ガス量は、ろ紙の捕集面積1cm2あたりのダスト捕集量が0.5mg程度になるように設定する。
- ひょう量用の天びんは、感量0.1mg以下のものを用いる。
正解 (3)
解 説
円形ろ紙を用いる場合の注意点に関する出題は珍しいですが、この設問は決して捨て問題ではありません。本問に対して正確に解答できる知識を持っている方は少ないと思いますが、どの選択肢が誤りであるかを選ぶだけなら、案外簡単です。
(3)に関して、大前提として、これは排ガス中ダスト濃度測定のための試料採取の話なので、ろ紙はダストを捕集するために存在します。
ここで、(3)に書かれている「ガス流速が1m/s」というのが適正かどうかは別として、あまり速い速度で吸引すると、ろ紙が破損したり変形したりするおそれがあるため、望ましくないことがわかります。ゆっくり吸引したほうが、ダストを確実に捕集することが可能です。
つまり、(3)にある「ガス流速が1m/s以上」だとどんなに速い流速でもよいことになってしまうため、この「以上」という部分は明らかに誤りであると考えられます。よって、正解は(3)であると判断できます。
なお、実際には(3)の記述は数値も間違っていて、「1m/s以上」の部分を正しく直すと「0.5m/s以下」となります。
以上から、正解は(3)です。
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