R4年 大気有害物質特論 問4 問題と解説

 問 題     

ガス吸収装置の種類とその長所に関する記述として、誤っているものはどれか。

  •    (種類)             (長所)
  1. 気泡塔         構造が簡単で、液相物質移動容量係数が大きい。
  2. スプレー塔       ガスの圧力損失が小さい。
  3. ぬれ壁塔        発熱性のガスに適する。
  4. ベンチュリスクラバー  液ガス比が小さく、吸収効率が高い。
  5. サイクロンスクラバー  液を噴霧する動力が小さい。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)は正しいです。気泡塔は構造が簡単で、液相物質移動容量係数が大きいのが長所です。短所としては、圧力損失が大きいことが挙げられます。

(2)も正しいです。スプレー塔はガスの圧力損失が小さいですが、偏流を生じやすいという特徴があります。

(3)も正しいです。ぬれ壁塔はガスの冷却が容易であり、発熱性のガスに適しています。

(4)も正しいです。ベンチュリスクラバーは液ガス比が小さく、吸収効率が高いです。液ガス比とは吸収液と被処理ガスとの流量比のことで、これが小さいと少しの液で多くのガスを処理できます。ちなみに、ベンチュリスクラバーはガスの圧力損失は大きいです。

(5)が誤りです。ややマイナーな知識ですが、サイクロンスクラバーは液を噴霧する動力が大きいという特徴があります。ただし、これを知らない場合でも、選択肢(1)~(4)がどれも比較的重要なので、消去法で(5)を選びたいところです。

なお、サイクロンスクラバーの特徴といえば、水によく溶けるガス(易溶性ガス)を吸収するのに向いていることと、サイクロン径が大きくなると効率が低下することです。これらは重要事項としてぜひ押さえておいてください。

以上から、正解は(5)となります。

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