R4年 大気概論 問2 問題と解説

 問 題     

大気汚染防止法のばい煙の排出の制限に関する記述中、ア~エの(  )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

一 ばい煙発生施設において発生するばい煙を大気中に排出する者は、その( ア )が当該ばい煙発生施設の排出口において排出基準に適合しないばい煙を排出してはならない。

二 前項の規定は、一の施設がばい煙発生施設となった際現にその施設を設置している者(( イ )をしている者を含む。)の当該施設において発生し、大気中に排出されるばい煙については、当該施設がばい煙発生施設となった日から( ウ )(当該施設が政令で定める施設である場合にあっては、( エ ))は、適用しない。ただし、(略)

  •      ア         イ     ウ   エ
  1. ばい煙量又はばい煙濃度  改善の措置  6月間  1年間
  2. ばい煙量         改善の措置  1年間  6月間
  3. ばい煙量又はばい煙濃度  設置の工事  6月間  1年間
  4. ばい煙量         改善の措置  6月間  1年間
  5. ばい煙量         設置の工事  1年間  6月間

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )に関して、大気汚染防止法では、有害物質の種類によって総量規制や濃度規制が定められています。よって、総量で規制されている物質はばい煙量で、濃度で規制されている物質はばい煙濃度で評価できるため、( ア )には「ばい煙量又はばい煙濃度」を入れるのが適切だと判断できます。

( イ )の選択肢には「改善の措置」または「設置の工事」がありますが、ここは直前にある「現にその施設を設置している者」を受けての括弧書きとなっているため、設置者に準ずる者を表わす言葉が入るはずです。

よって、設置者に準ずる者として適当なのは「設置の工事をしている者」なので、( イ )には「設置の工事」を入れるのが妥当です。

( ウ )と( エ )に関して、まずはこの条項(第二項)で何が言いたいのかを解説します。

ばい煙発生施設の設置者が排出基準を守らなければならないのは当然ですが、今までばい煙発生施設ではなかった施設が、政令の改正や都道府県知事が定める規模の変更によって、ばい煙発生施設に該当することになる場合があります。

このような場合、今まで基準の適用外だった施設に対して急に基準を適用するのは酷な話なので、基準を守るための設備を導入する準備期間として、半年か1年ほど基準の適用を猶予してくれる…というのが、この条項の趣旨となります。

ここで、( ウ )と( エ )の選択肢を見ると、一方には「6月間」、他方には「1年間」を入れることになります。

文章の流れから、「多くの場合は( ウ )の期間だけ猶予するけれど、対策に時間の掛かりそうな施設に関しては( エ )の期間を猶予します」というような意味合いになると推測できるので、( ウ )にはより短い期間が、( エ )にはより長い期間が入ると考えられます。

よって、( ウ )には「6月間」が、( エ )には「1年間」が入ると判断することができます。

以上から、( ア )は「ばい煙量又はばい煙濃度」、( イ )は「設置の工事」、( ウ )は「6月間」、( エ )は「1年間」となるので、正解は(3)です。

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