R4年 汚水処理特論 問13 問題と解説

 問 題     

生物膜法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 散水ろ床法は、除去効率の低さ、ハエや臭気の発生という問題があり、現在、国内での使用例は少ない。
  2. 微生物を支持体に膜状に固定して処理を行うため、バルキングが起きにくい。
  3. 微生物が支持体に固定されているため、活性汚泥法と比較して流入負荷変動に対し抵抗力が強いケースが多い。
  4. 支持体からはく離した汚泥は沈降性がよいため、処理水の透視度が活性汚泥法よりも良好である。
  5. 高負荷運転を行うと、固定床でははく離汚泥により支持体の閉塞が起こりがちであるが、担体添加法では閉塞の心配はない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

生物膜法は、微生物を支持体である固体表面に膜状に固定して処理を行う方法です。

(1)は正しいです。記述の通り国内での使用例は少ないのですが、なぜか本試験では選択肢の文章に採用されやすいので、一応チェックしておくべき内容といえます。

(2)も正しいです。バルキングとは、汚泥の水分量が多くなってしまうなどの要因によって汚泥が沈まなくなり、うまく分離できなくなる現象のことです。活性汚泥法ではバルキングが問題となりますが、生物膜法ではこれが起こりにくいというメリットがあります。

(3)も正しいです。生物膜法は活性汚泥法に比べて、阻害性物質の流入や負荷変動に対して抵抗力が強いです。

(4)が誤りです。支持体からはく離した汚泥は沈降性が悪く、SSの除去能力が低いです。そのため、処理水の透視度も低くなります。この点は、生物膜法が活性汚泥法よりも劣っている点となります。

(5)は正しいです。担体添加法は、曝気槽に担体を添加し、曝気により流動状態を維持しながら酸化分解する方法です。担体添加法は、他の生物膜法(固定床を用いる方法)と違って、支持体の閉塞の心配がありません。

以上から、正解は(4)となります。

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