R4年 汚水処理特論 問4 問題と解説

 問 題     

凝集沈殿装置に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水平流形の凝集沈殿装置は、原水と凝集剤を混合するフラッシュミキサー、フロックを成長させる攪拌(かくはん)を行うフロキュレーター、成長したフロックを分離する沈殿池から構成される。
  2. 水平流形の凝集沈殿装置のフロック成長では緩い攪拌を加えるが、粒子濃度が低く、水温が低いときは攪拌時間を短くすることができる。
  3. 接触凝集沈殿装置では、フロック形成の場において既成フロックを懸濁(けんだく)させ、粒子の接触による凝集反応の速度を上げる。
  4. 接触凝集沈殿装置の攪拌方法は、機械攪拌式、水流式及び空気攪拌式などに分類される。
  5. 接触凝集沈殿装置は、水平流形の凝集沈殿装置に比べて、設置面積当たりの処理水量が大きい。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(2)の前半は正しいですが、後半の記述が誤りです。

凝集沈殿とは、水中の微粒子と凝集剤を反応させて大きくて重い粗大粒子(=フロック)にすることで、水に沈むようにする水処理方法です。ここで、粒子濃度が高いほうが粒子を集めやすく、また、水温が高いほうが微粒子と凝集剤との反応性が高くなります。

そのため、粒子濃度が低く水温が低いときは、効率的にフロックを成長させることができずに、攪拌時間を長く取らなければいけません。

よって、(2)の後半部分の記述が反対なので、正解は(2)です。

その他の選択肢はいずれも正しい内容ですが、そこまで重要事項というわけでもないので、この問題は(2)が誤りであることに気づければ十分だと思います。

コメント