R4年 公害総論 問4 問題と解説

 問 題     

環境影響評価法に規定する目的に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

この法律は、(1)土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者がその事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要であることにかんがみ、環境影響評価について(2)事業者等の責務を明らかにするとともに、(3)規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業について環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続その他所要の事項を定め、その手続等によって行われた(4)環境影響評価の結果をその事業に係る環境の保全のための措置その他のその事業の内容に関する決定に反映させるための措置をとること等により、その事業に係る環境の保全について適正な配慮がなされることを確保し、もって(5)現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に資することを目的とする。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

問題文は、「環境影響評価法」第1条(目的)です。環境影響評価法の条文からの出題は珍しいですが、一方で、このテーマについては「環境基本法」第20条(環境影響評価の推進)の条文が出題されることはよくあります。

本問も、頻出である「環境基本法」第20条(環境影響評価の推進)の条文を押さえておけば解ける問題なので、まずはこの条文を以下に示します。

国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

環境影響評価というのは、上記の通り国が講ずるべき環境の保全のための施策の一つです。国が国民の生活環境を守るため、事業者が行うべき手続きを定め、必要な措置(監視や指導など)を講じることが定められています。

よって、環境影響評価に関する国の責務は重大であるため、出題されている文章のうち(2)の「事業者等の責務」が誤りであると判断することができます。ここには、正しくは「国等の責務」という文言が入ります。

その他の(1)、(3)~(5)には特に矛盾点もなく、これらは条文通りの記述となっています。

以上から、正解は(2)です。

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