問 題
ダストの拡散係数DBMを表す式として正しいものはどれか。
ただし、Cmはカニンガムの補正係数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、μはガス粘度、dpは粒子径である。
解 説
ダストの拡散係数DBMを示す式は、以下のように表すことができます。
- DBM:拡散係数
- Cm:カニンガムの補正係数
- k:ボルツマン定数 [J/K]
- T:絶対温度 [K]
- μ:ガスの粘度 [Pa・s]
- dp:粒子径 [m]
上式を公式として覚えていれば即決で選択肢(1)が正しいとわかりますが、この公式自体はマイナーな部類なので、正確に記憶している受験者の方は少ないと思います。しかし、本問は事前知識がない場合でも正解したい問題です。
というのも、ダストの拡散係数DBMを表す式に対して各種のパラメータがすでに与えられているので、各々のパラメータの数値が大きい(または小さい)ときに、拡散係数がどのように変化するかを考えれば、選択肢から正解を一つに絞ることができます。
まず、Cmは補正係数でkは定数なので、これらはよくわかりません。そのため、これらはとりあえずスルーして考えないことにします。
次にTの絶対温度は、温度が高いほどダストはエネルギーを持って勢いよく拡散するため、Tが高いほどDBMも高くなることが予想できます。よって、Tが分子にきている選択肢(1)~(4)が正しく、この時点で選択肢(5)は正解の候補から外すことができます。
続いて、μの粘度について、粘度が高いほどダストは拡散しにくくなります。よって、Tのときとは反対で、μは分母に置くのが正しいと判断できます。選択肢(1)~(4)のうち、μが分母にあるのは(1)だけなので、この時点で正解は(1)だと決めることができます。
念のためdpの粒子径についても確認します。粒子径が大きいと拡散しにくくなると考えられるので、dpもμと同じく分母にくると考えるのが妥当です。実際、選択肢(1)はdpが分母にあるため、やはり(1)が正しいと判断できます。
以上のように考えると、公式を知らなくても(1)が正解であると決めることができます。
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