問 題
地球温暖化の原因となる温室効果ガスに関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、IPCC第4次評価報告書による。
- CO2 2005年の大気中濃度:379ppm、温暖化係数:1
- メタン 2005年の大気中濃度:1.1ppm、 温暖化係数:30
- N2O 2005年の大気中濃度:319ppb、 温暖化係数:298
- CFC‒11 2005年の大気中濃度:251ppt、 温暖化係数:4750
- 四ふっ化炭素 2005年の大気中濃度:74ppt、 温暖化係数:7390
正解 (2)
解 説
選択肢(1)~(5)に示された物質はいずれも温室効果ガスです。
温室効果ガスといえば(1)のCO2がまず話題になりますが、これは大気中のCO2がほかの温室効果ガスよりもずっと多く存在するので、地球温暖化への影響が大きいためです。しかし、同じ量で比較すると、(2)~(5)の物質のほうがCO2よりも遥かに温室効果が大きいです。
…ということは基本的知識として押さえておきたいですが、この設問では、各温室効果ガスの具体的な大気中濃度と温暖化係数が問われています。これはかなり難易度の高い問題といえるので、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。
ただし、CO2の大気中濃度は大体400ppm(0.04%)であり、温暖化係数は基準の1であるので、選択肢(1)だけは除外したいところです。
一応答えを示しておくと、(2)のメタンは、大気中濃度が1.774ppm、温暖化係数が25であるので、これが誤りの選択肢であり、(2)が正解となります。
ちなみに、この問題はIPCC第4次評価報告書からの出題ですが、平成27年(2015年)にはIPCC第5次評価報告書が出されていて、各温室効果ガスの大気中濃度や温暖化係数の値が更新されています。その後も5~7年ごとを目安にIPCCの新しい評価報告書が公表されていく予定です。
ただし、この試験の出題頻度から考えてあまり重要度が高いものではないと思うので、ここに更新された各種の数値を載せることはしません。興味がある方は、ご自分でその内容を調べてみてください。
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