R1年 水質有害物質特論 問8 問題と解説

 問 題     

アンモニアストリッピング法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水中ではアンモニウムイオンと遊離アンモニアは平衡状態にあり、pHが高くなると遊離アンモニアの存在比が高くなる。
  2. 遊離アンモニアは、曝気やスクラバーによって容易に水中から除去できる。
  3. pH調整用のアルカリ剤に消石灰を用いるとカルシウムスケールが生成しやすい。
  4. アンモニアの除去率は水温の影響を受けるため、除去率を上げる目的で排水を冷却する。
  5. アンモニアガスは硫酸に吸収させて、硫酸アンモニウムとして回収できる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

アンモニアストリッピング法は、排水のpHをアルカリ性にして、アンモニウムイオンをアンモニアガスに変え、大気に揮散させるというアンモニア処理法です。

アンモニアストリッピング法では(4)の前半に書かれている通り、水温がアンモニアの除去率に大きく影響します。ただし、排水を冷却するのではなく、むしろ温度を上げることがポイントです。

その理由は2つあり、一つは、温度が高いほうがアンモニアイオンをアンモニアガスに変える反応の速度が速くなるという理由です。

もう一つは、水中に溶かすことのできるガスの量は、温度が高いほど少なくなっていくからです。炭酸水を温めるとすぐに炭酸ガスが抜けてしまうように、アンモニアガスも温度が高いと水中から空気中へと抜けていきます。

よって、(4)の「排水を冷却する」の部分は「排水を温める」などとするのが正解です。

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