問 題
ガス温度155℃、大気圧が101.3kPaで煙道内静圧(ゲージ圧)-5.4kPa、水分量10%(体積基準)を含む湿りガス2.0m3中に、ダストが5.7mg含まれていた。このとき、標準状態(0℃、101.3kPa)の乾き排ガス中のダスト濃度(mg/m3)は、およそいくらか。
- 3.8
- 4.2
- 4.7
- 5.2
- 5.8
正解 (4)
解 説
この問題はややアドバンスな内容です。出題頻度も低めなので、もし以下の解説を読んで難しいと感じた場合には、捨て問題扱いとしても仕方ないと思います。
まず、問われている乾き排ガス中のダスト濃度は、JIS Z 8808で以下のように定められています。
- CN:標準状態における乾き排ガス中のダスト濃度 [mg/m3]
- md:捕集したダストの質量 [mg]
- V’N:標準状態における吸引した乾き排ガス量 [m3]
ここで、mdは問題文より5.7mgと与えられているので、V’Nを求めるのが当面の目標となります。標準状態における吸引した乾き排ガス量V’Nを求める式は以下のようになります。
- V’N:標準状態における吸引した乾き排ガス量 [m3]
- Vm:吸引したガス量(湿式ガスメーターの読み) [m3]
- θm:ガスメーターにおける吸引ガスの温度 [℃]
- Pa:大気圧 [kPa]
- Pm:ガスメーターにおけるガスのゲージ圧 [kPa]
- Pv:水分の蒸気圧
上式に出てくる定数の273は、[℃]を絶対温度[K]に変換するための補正です。また、101.3は標準気圧の101.3[kPa]からきています。
ここで、大体の数値は問題文で与えられていますが、水分の蒸気圧だけ記載がありません。しかし、ガスの気圧は大気圧と煙道内静圧から計算することができ、かつ、体積比でその10%が水分ということなので、水分の蒸気圧は次のように計算することができます。
よって、これらの値を(2)式に代入すると、次のように計算できます。
さらに、これを(1)式に代入すると、求める答えが得られます。
以上から、正解は選択肢(4)となります。
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