R1年 ばいじん・粉じん特論 問5 問題と解説

 問 題     

電界荷電による球形粒子の帯電に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 粒子帯電量は、誘電定数に比例する。
  2. 粒子帯電量は、粒子表面積に比例する。
  3. 粒子帯電量は、電界強度に比例する。
  4. 帯電に要する時間は、荷電空間のイオン量によらない。
  5. 電界荷電が支配的となるのは、粒子径が約2μm以上の粒子である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

電界荷電による球形粒子の帯電量は、ポーテニエールの式という式で表すことができます。…が、これはかなりマニアックな知識だと思うので、この式からではなく、選択肢一つひとつの文章を確認して矛盾点がないかどうか検討するほうが現実的だと思います。

(1)と(2)で、誘電定数が大きければそれだけ電荷を帯びやすくなり、粒子表面積が大きければそれだけ電荷を帯びるスペースができます。よって、これらが大きいと粒子帯電量も大きくなります。よって、(1)と(2)は正しいです。

(3)の電界は、ある空間に電荷を置いたとき、電荷に力が働くような場のことをいいます。電界強度が強いということは電荷に働く力も大きくなるので、この場にある粒子帯電量も大きくなります。よって、(3)も正しいです。

(4)で、粒子にイオンが付着することでその粒子は帯電します。よって、周りにイオンがあればあるほど帯電しやすくなるので、(4)の記述は誤りです。

(5)は知識問題ですが、ときどき出題されるので覚えておきたい数値です。微粒子の荷電方式は、粒子径が約2μm以上の粒子だと電界荷電が支配的となり、それより小さい粒子では拡散荷電が支配的となります。よって、(5)も正しいです。

コメント