法改正:PFOS及びPFOAの水質要監視項目 (2020.5.28)

関連する試験科目

公害総論、水質概論

法律・規則改正の根拠

水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(環水大水発第2005281号、環水大土発第2005282号)

改正の施行日

2020年5月28日

改正の概要

人の健康の保護に関する要監視項目(公共用水域・地下水)に、新たに「PFOS及びPFOA」が追加され、その指針値(暫定)が「0.00005mg/L以下」と定められました。

くわしい説明

PFASは、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称です。ざっくりいえば「有機ふっ素化合物」と表現でき、これは10000種類以上の化合物群となります。

PFASの中でも、PFOSやPFOAという特定の化合物は、耐水性、耐油性、耐熱性が高いため、食品包装や防水加工製品、消火剤など幅広い製品に使用されています。一方で、これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性があり、環境中で分解されにくく、健康や環境への悪影響が懸念されています。

そのため、人の健康の保護に関する要監視項目に、新たに「PFOS及びPFOA」が追加され、その指針値(暫定)が「0.00005mg/L以下」と定められました。ただし、まだ毒性学的に明確な基準値や指針値を定めるのが困難であるため、あくまでも暫定値という扱いになっています。

なお、これは公共用水域と地下水のどちらにも適用され、指針値も同じです。また、「PFOS及びPFOA」はセットで1項目なので、評価する際にはPFOSとPFOAの合計値で評価します。

ちなみに、要監視項目は、環境基準を定めるほどではないけれど、注意しておかなくてはならないような物質を定めています。

そのため、重要度からいえば環境基準のほうが高く、要監視項目が出題される頻度は少ないといえますが、比較的最近になって法改正した物質に関しては出題されやすい傾向があります。

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