H30年 大気有害物質特論 問1 問題と解説

鉛及びその化合物に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 鉛の沸点は、カドミウムより約1000℃高いが、400~500℃程度から蒸発が盛んになり、鉛フュームが発生する。
  2. 鉛精鉱に含まれる硫黄は、焼結炉中で二酸化硫黄として除去される。
  3. 焼結で得られる塊状化した鉛の酸化物は、溶鉱炉でコークスを加えて還元されて粗鉛になる。
  4. 焼結炉、溶鉱炉の排ガス中のダストには、酸化鉛が60~70%含まれている。
  5. 粗鉛を精製して金、銀などを回収する工程では、硫酸鉛が揮散する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

粗鉛という名前からは意外に感じるかもしれませんが、粗鉛は純度95~97%くらいの鉛のことです。残りの数%に金や銀などの高価な金属も含まれているため、溶解炉で粗鉛を精錬しながらこれらの金属を回収します。よって、揮散するのは「硫酸鉛」ではなく、単体としての「鉛」となります。

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