H30年 大気特論 問8 問題と解説

石灰スラリー吸収法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 石灰石又は消石灰を5~15%含むスラリーが用いられる。
  2. 排ガス中の二酸化硫黄をpH6程度で吸収液と反応させる。
  3. 消石灰のほうが石灰石よりも二酸化硫黄との反応速度が大きい。
  4. スート混合方式は、冷却除じん塔が不要である。
  5. 別置き酸化方式は、吸収塔酸化方式よりも石灰石過剰率を低く抑えたままで高い脱硫率が達成できる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

最近は別置き酸化方式よりも吸収塔酸化方式が多く使われる傾向にあります。それは、吸収塔酸化方式には以下の3つのメリットがあることが主な理由です。

  1. 使用電力量が少なくて済む(省エネ)
  2. 石灰石の使用量が少なくて済む
  3. 硫酸の添加が不要

2番目と3番目は直接関連があるのですが、この方式ではSO2が酸化されて硫酸になったあと、それを石灰石と効率的に反応させることができるので、残留石灰石があまり出ません。つまり、石灰石の使用量が少なくて済みます。さらに、残留石灰石があまり出ないので、これを分解するために硫酸を添加するという工程が必要なくなります。

よって、(5)の記述は別置き酸化方式の話なので、「石灰石過剰率を低く抑えた」という箇所が誤りです。

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