TOC計に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 水中に存在する有機物に含まれている炭素を燃焼により二酸化炭素まで酸化し、それに必要な酸素の重量として表示する。
- TOCは、CODやBODより短時間で測定できるという特長がある。
- 燃焼酸化方式のTOC計では、有機物に含まれている炭素の酸化で生じた二酸化炭素を赤外線により定量している。
- 2チャンネル方式では、全炭素(TC)から全無機体炭素(TIC)を減じてTOCを得る。
- 1チャンネル方式では、試料を酸性とし、これにパージガスを通気して無機体炭素を除去する。
正解 (1)
解 説
TOC(Total Organic Carbon)は全有機炭素のことなので、(1)の前半は合っていますが、「それに必要な酸素の重量として表示する」というのが誤りです。赤外線ガス分析計で二酸化炭素を測定するので、その結果は炭素濃度[mg/L]として表されます(炭素であることを強調するため[mgC/L]と表記されることも多いです)。
なお、TOCは全有機炭素なので、その測定の意味合いとしてはCODやBODに近いです。ただし、(2)にもあるようにTOC測定のほうがCODやBODの測定よりも短時間で結果が得られるという長所があります。
CODやBODは酸素量を測定することで間接的に有機物の量を知る分析法なので、(1)の誤り部分である「酸素の重量として表示する」という誤った記述は、CODやBODの測定方法からきているものと思われます。
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