膜分離法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 精密ろ過膜は孔径が0.05~1μm程度で、微細な懸濁粒子や細菌などの除去に用いられる。
- 限外ろ過膜は分子量1000~100万程度の溶質又は粒子をろ過によって分離するためのもので、水溶性の高分子物質の除去に用いられる。
- 逆浸透法では濃厚溶液側に浸透圧以上の圧力をかけて、水溶液中の水を半透膜を通して移動させる。
- ナノろ過法は逆浸透法に比べ、操作圧力が低く、塩化ナトリウム除去率も低い。
- 電気透析法では、一定以上の分子量の溶質だけを透過させる膜を多数配列し、その両端に直流電圧を加えて脱塩水と濃縮液とを一つおきのセル内に生成させる。
正解 (5)
解 説
(5)の文章が誤りです。電気透析法は溶解塩類の除去に用いられ、水溶性電解質でないコロイド質や有機物は除去できません。そのため、透過膜として使われるのは一定以上の分子量の溶質をさえぎるような膜ではなく、陽イオンまたは陰イオンだけを透過させるようなイオン交換樹脂の膜です。
陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に多数配列したところに電気を流すことで、両端の膜から陽イオンと陰イオンの両方が流れ込んでくるブロック(セルといいます)と、両端へ陽イオンや陰イオンが流れ出ていくブロック(セル)が交互にできます。このようにして溶解塩類を分離・除去します。
よって、(5)の文章を正しく書くと、たとえば「電気透析法では、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に多数配列し、その両端に直流電圧を加えて脱塩水と濃縮液とを一つおきのセル内に生成させる。」というような書き方になります。
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