H30年 汚水処理特論 問5 問題と解説

アンモニアを含む排水に塩素を注入したときの残留塩素濃度の変化を示す下図に関する説明として、誤っているのはどれか。

  1. 点Aから点Bの間では、水中のアンモニアと塩素が結合し、モノクロロアミン、ジクロロアミンなどのクロロアミンが生じている。
  2. 極大点Bから点Cの間では、結合塩素どうしが反応して結合塩素が減っていく。
  3. 極小点Cは不連続点と呼ばれ、ここまでに注入された塩素量を塩素要求量と呼ぶ。
  4. 点Cよりさらに塩素を注入すると、遊離塩素が増加する。
  5. 結合塩素と遊離塩素を合わせて残留塩素と呼ぶが、殺菌力を持つのは遊離塩素だけである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)の前半は合っていますが、後半が誤りで、遊離塩素も結合塩素も殺菌力を持っています。ただし、その殺菌力を比べたときには、遊離塩素のほうが結合塩素よりも強いです。

ちなみに、遊離塩素の具体例は次亜塩素酸(HClO)や次亜塩素酸イオン(ClO)が挙げられます。一方、結合塩素の具体例としてはモノクロロアミン(NH2Cl)やジクロロアミン(NHCl2)が挙げられます。これらは塩素が窒素と結合した状態なので、結合塩素と呼ばれています。

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