H30年 大規模水質特論 問3 問題と解説

生態系モデルにおける植物プランクトンの増殖(成長)速度の計算に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. ポテンシャル増殖速度は、温度の関数として表している。
  2. 光応答については、強光阻害を考慮した式が提案されている。
  3. 栄養塩の摂取については、リービッヒの最小律が適用される。
  4. 光強度は、ランバート-ベールの法則に従い、水深によらず一定とする。
  5. 植物プランクトンの増殖速度は、ポテンシャル増殖速度、光の制限項、栄養塩制限項の積として計算する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(4)に関して、光強度はランバート-ベールの法則に従いますが、ランバート-ベールの式は水中での光強度の減衰を求める式です。水深が深ければ深いほど光強度は減衰するため、「水深によらず一定」の部分が誤りです。

ランバート-ベールの式は重要な式なので、以下の図と式を併せて覚えておくことをおすすめします。

εはモル吸光係数と呼ばれ、物質ごとに決まった値をとります。この式は頻出なので、式と各記号が示す意味を押さえておきたいです。

I0が入射光強度なので、上図左側が水面と考えてください。セルの長さlが水深に相当します。そして、その水深での光の強さがItです。よって、光の減衰と水深とは対数で表される関係となります。

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