H29年 汚水処理特論 問21 問題と解説

光学式センサ法による溶存酸素の測定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

光学式センサの(1)センサキャップに塗布された化学物質がセンサ内の(2)励起光源からの光により(3)蛍光やりん光を発するが、これらの光は試料中の溶存酸素による(4)増光作用を受ける。これが(5)溶存酸素量に比例することを利用し、溶存酸素濃度を求める。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

溶存酸素の測定は以下の4種類です。

  • よう素滴定法(ウィンクラー-アジ化ナトリウム変法)
  • ミラー変法
  • 隔膜電極法(溶存酸素電極による測定法)
  • 光学式センサ法

このほかに比色検定もありますが、これは簡易測定法であり、厳密な測定法としては規定されていません。

このうち今回は光学式センサ法の説明文が出題されていますが、測定法の原理にまで踏み込む出題は珍しいので、これを知識問題としてカバーしている受験者の方は少ないかもしれません。

しかし、正解を選ぶだけなら実はあまり難しくない問題であるともいえます。というのも、(4)の周りの文章を読むと、「光に酸素をぶつけると増光する」というようなことが書いてありますが、酸素自体が発光体でもない限り、そんなわけはありません。

たとえば太陽光が地球に降り注いでいるのを考えると、地球の大気(酸素)によってある程度光を吸収するので、地表は程良く温められます。これが大気のない惑星になると、太陽光を遮るものがなく、すごい量の太陽光(紫外線や放射線含む)を浴びてしまうことになります。

よって、溶存酸素が多いところに光を通すとその光は弱まるため、(4)の「増光作用」が誤りで、正しくは「消光作用」となります。

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