H29年 汚水処理特論 問20 問題と解説

河川や比較的大きい水路などにおける流速計による流量測定に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 測定は、断面の測定と流速の測定とから成る。
  2. 上・下流には少なくとも川幅の数倍の直流部があること。
  3. 水路床の状態が良好で、流速計の回転子が十分水没する水深があること。
  4. 測定地点の断面と、その上・下流の断面に大きな差異があること。
  5. 渦を生じる橋脚などの構造物がないこと。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

河川の流量を知るには、(1)にあるように河川の断面積とそこを流れる水の流速の2つの情報が必要です。たとえば断面積が100[m2]で、流速が1.5[m/s]なら、その河川の流量は150[m3/s]であると計算することができます。よって、(1)は正しい記述です。

(2)では測定点の上流も下流もしばらくまっすぐ延びていることが求められています。仮に測定点のすぐ近くにカーブなどがあると、水の流れが乱れて正確な水量が測れなくなってしまいます。よって、流量の安定した箇所で測定をする必要があるので、これも正しい記述です。

(3)について、もし流速計の回転子が水面から出てしまっていると、本来は流速を測るべきなのに、空気を取り込んで風速を測ってしまうかもしれません。それでは正確な測定にならないので、回転子が十分水没するほどの水深がある場所で測定を行わなくてはなりません。よって、これも正しい記述です。

(4)は(2)と同じように考えればよいです。測定点のすぐ近くに断面積が大きく異なる箇所があると、そこでの水の流れと断面積が異なる場所での水の流れは全然違ったものになり、水の流れが乱れ、流速が安定しません。よって、測定点の上流・下流ともに同じような断面積が続いている場所で測定を行う必要があるので、これが誤りの選択肢となります。

(5)に関して、安定した水の流れを妨げる障害物(橋脚など)があるところでは正確な測定ができません。よって、このような場所も避けるべきなので、これも正しい記述といえます。

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