環境基本法に規定する環境の保全上の支障を防止するための経済的措置に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句(a~e)の組合せとして、正しいものはどれか。
国は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその( ア )に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の( イ )をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な( ウ )を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
- 負荷活動
- 適切な措置
- 環境上の支障
- 経済的な負担
- 経済的な助成
(ア) (イ) (ウ)
- a d c
- c a d
- a b c
- c a e
- a b e
解 説
問題文に該当するのは、「環境基本法」第22条(環境の保全上の支障を防止するための経済的措置)1項です。その条文は以下の通りとなります。
国は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
この条文を暗記していればもちろん答えられる問題ですが、暗記に頼らなくても問題文と選択肢とを見比べれば答えにたどり着くことができます。
まず、(ア)の直前には「その」という言葉があるので、ここには「その」の前で書いてある言葉の繰り返しになると考えられます。手前の文章は「環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(負荷活動)」とあるので、(ア)にはaの「負荷活動」を入れるのが適切です。
続いて(イ)について、選択肢によるとa「負荷活動」、b「適切な措置」、d「経済的な負担」の3択ですが、話の筋が、(イ)をすれば環境保全につながる…というような流れなので、ここで環境保全の逆であるa「負荷活動」を入れるのはおかしいです。
また、dを入れると「経済的な負担をとることを助長する~」となりますが、お金を掛ければ掛けるだけ環境に良いかというと…それはお金の使い方次第になってしまいます。少なくとも、お金を掛けること自体を目的として、これを推進しても仕方ないので、dも不適です。
よって、残るb「適切な措置」が正解であり、適切な措置によって環境保全につながるという文章は自然です。
最後、(ウ)には、c「環境上の支障」、d「経済的な負担」、e「経済的な助成」のどれかが入りますが、前後の文章を含めて考えると、cを入れた場合、「必要かつ適正な環境上の支障を行う」となり、適正な支障というのは明らかに文章がおかしいです。
また、「必要かつ適正な(ウ)を行う」の主語は文頭にある「国」で、目的語が「負荷活動を行う者」です。要するに、国が事業者などに対して行うことなので、ここはd「経済的な負担」ではなく、e「経済的な助成」を入れるのが適切です。
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