H29年 ばいじん・粉じん特論 問11 問題と解説

石綿に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ILO、WHOの定義では、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物のうちクリソタイルなど6種類の鉱物が含まれている。
  2. JISでは、長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満で、かつ長さと幅(直径)の比(アスペクト比)3以上の繊維状物質を計数の対象としている。
  3. わが国で工業的に使用された石綿の95%以上は、クリソタイルである。
  4. クリソタイルは、鉄、カルシウムが主成分である。
  5. 平成18年の法令等改正により、石綿及び石綿をその重量の0.1wt%を超えて含有するすべての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が原則として禁止された。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)の通り、石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で、6種が指定されています。その6種のうち、日本では(3)にあるように、ほとんどがクリソタイルです。石綿はけい酸塩鉱物なので、全ての石綿にはけい素が主成分として含まれていますが、クリソタイルにはそのほかにマグネシウムも多く含まれています。

よって、(4)の「鉄、カルシウム」が誤りで、正しくは「けい素、マグネシウム」となります。

上記の解説にも書いた通り、この問題は(1)の「けい酸塩鉱物」と(4)の「鉄、カルシウム」が矛盾するため、もし試験中に知識が頭に入っていなくても、この2択に絞ることができる問題でした(とはいえ、これは重要事項なので、本来は事前に押さえておくべき内容です)。

また、解説では触れていない(2)や(5)についても大事な内容なので、ぜひ併せて覚えておいてください。

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