H28年 大気有害物質特論 問3 問題と解説

ガス吸収による有害物質の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水に比較的溶けにくいガスの場合、その気相中の分圧は、その液中濃度に比例する。
  2. 塩素の水への溶解度は、一酸化炭素のそれよりも大きい。
  3. ふっ化水素は、水酸化ナトリウム水溶液への吸収において、液組成や温度などで決まる一定の分圧を示す。
  4. ガス吸収の速度を考える場合、二重境膜説は有用な学説である。
  5. 境膜内の被吸収物質の拡散は遅いので、物質移動の抵抗になる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

前問(問2)の解説と重なりますが、ふっ化水素のほうは自由な割合で水に溶かすことができます。よって、ふっ化水素は水酸化ナトリウム水溶液への吸収もスムーズに不可逆反応として進行するので、その分圧を示すことはありません(ふっ化水素の分圧=0となります)。

ただし、これはややマニアックな知識が要求される上、他の選択肢も決して頻出事項とはいえないので、この問題は捨て問題として扱ってしまっても仕方ないかもしれません。

コメント