H28年 大気特論 問12 問題と解説

JISによる排ガス試料採取方法の採取管・分岐管、導管、接手管、ろ過材で用いられる材質の最高使用温度を高い順に左から並べたときの組合せとして、誤っているものはどれか。

  (部品)     :(最高使用温度)

  1. 採取管・分岐管:セラミックス > ステンレス鋼 > 四ふっ化エチレン樹脂
  2. 採取管・分岐管:シリカガラス > チタン > 四ふっ化エチレン樹脂
  3. 導管     :ステンレス鋼 > 四ふっ化エチレン樹脂 > 硬質塩化ビニル樹脂
  4. 接手管    :シリコーンゴム > ふっ素ゴム > クロロプレーンゴム
  5. ろ過材    :シリカウール > ステンレス鋼網 > 四ふっ化エチレン樹脂

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

これはややマイナーな出題なので、捨て問題として扱ってしまって仕方ないと思います。ただし、ある程度の推測のもとで選択肢を減らすことならできると思います。

まず、最高使用温度が高いと考えられる材質は、「セラミックス」と「シリカ~」です。セラミックスとは陶磁器のことで、もともと焼いて作られるものなので耐熱性に優れています。

また、シリカは二酸化ケイ素のことで、その結晶構造はダイヤモンドと同様に、強固な共有結合でつながっています。そのため、シリカガラスやシリカウールもセラミックスと同じくらい耐熱性に優れています。

よって、(1)、(2)、(5)の不等式のうち、一番左側はいずれも合っていると判断できます。

次に、金属類はセラミックスやシリカほどではありませんが、まぁまぁ耐熱性があるといえます。よって、(1)、(2)、(5)についてはチタンまたはステンレスが、上記のセラミックスやシリカに次いで並んでいるので、この3つの選択肢は正しい順番であると判断できます。また、(3)についてはセラミックスもシリカもないので、ステンレスが一番左にくることは正しいと並びになっています。

最後に、樹脂とは要するにプラスチックのことなので(厳密にはイコールではありませんが…)、あまり耐熱性に優れているとはいえません。よって、不等式の中では一番右側にくると考えられます。

ただし、(3)は樹脂が2つ並んでいるので、これらの区別はつかなくても仕方ないと思います(ちなみに、実際には四ふっ化エチレン樹脂のほうが硬質塩化ビニル樹脂よりも耐熱性があるので(3)は正しい並び順です)。

以上のように考えると、(1)と(2)と(5)は正しいので正解の選択肢にはならず、(3)はステンレスの位置は正しいことがわかり、(4)はよくわからない、といった判断ができるので、一応、2者択一まで選択肢を絞ることができると思います。

この問題はここまで考えられれば充分だと個人的には思いますが、(4)の正しい並び順は、ふっ素ゴム>シリコーンゴム>クロロプレーンゴムとなります。

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