H28年 大規模水質特論 問6 問題と解説

排水再利用に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 循環冷却水系の濃縮倍数が小さくなると、塩類の濃縮により、腐食、スケールの析出、スライムの発生を招くことがある。
  2. 循環冷却水系において、スケール析出の障害を防止するために、薬品を添加する方法が用いられる。
  3. 鉄鋼業において、直接冷却水を再利用に用いるときは、排水処理工程を経た後、冷却塔で水温を低下させるプロセスがとられている。
  4. 食品工業などにおける洗浄水は、向流洗浄方式で多段利用されることが多い。
  5. 半導体製造工程からの排水は、天然水に比較し純度的にはかなりよいため再利用が行われている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

濃縮倍率が「大きくなる」と、塩類は濃縮されていきます。循環冷却水系における塩類というのは不純物という扱いであり、これが濃くなってくると腐食やスケールの析出、スライムの発生の原因となることがあります。

そのため、塩類の濃縮が起こらないように一定量の水をブロー水として引き抜き、引き抜いた分と同量のきれいな水(純水)を供給することで、循環冷却水の塩濃度を一定以下に保ち続けています。

よって、(1)の「小さくなる」が誤りで、正しくは「大きくなる」となります。

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