H27年 大規模水質特論 問6 問題と解説

水使用合理化計画において、最も経費がかかると考えられる方法はどれか。

  1. 総合排水処理水の直接再利用
  2. 洗浄排水の工程内再生利用または他の工程への再利用
  3. ワンパスで捨てられている間接冷却水の冷却塔による循環利用
  4. 総合排水処理水の活性炭吸着や膜処理など高度処理による再利用
  5. 総合排水処理水の砂ろ過など簡単な処理による再利用

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

手間ひまを掛けて、すごく綺麗な水を作っているものが最も経費がかかると考えられます。よって、(4)の「高度処理」というのがいかにも経費がかかりそうなので、これが正解です。これで答えを決めてしまって構わないと思いますが、以下、もう少し詳しく選択肢を考えていきます。

まず、(1)は直接再利用であり、(5)も「簡単な処理」なので、これらの経費は安いと推測できます。

次に(2)は「洗浄排水」をその工程内か、他のとある工程に使おうとしています。このように、水源も利用先もはっきりしているときは、水源がどのような汚濁成分を含んでいるのかもわかりますし、利用先にはどのくらい綺麗な水を送れば良いかもはっきりしています。よって、必要最小限の処理をすれば良いという意味で、(2)も経費はそれなりに安く済みそうです。

(3)について、「ワンパスで捨てられている」というのは、冷却塔で水を1回流したら、その水をそのまま捨ててしまうという意味です。これを循環させて何度も使おうという話なので、設備さえ整っていれば、無処理のため経費はかかりません。

残る(4)について、これは「総合排水処理水」を使いますが、(2)と違って水源がはっきりしていません(混ざってしまっています)。よって、この水にはどのような汚濁成分が含まれているかがわかりにくいため、汚濁成分の除去は広く行わなくてはいけません。

また、何に利用するのかも決まっていないため、何に利用しても良いように高度処理が必要になります。よって、やはりこの選択肢が最も経費がかかると考えられます。

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