H26年 大気有害物質特論 問2 問題と解説

製造工程でふっ素、ふっ化水素又は四ふっ化けい素を発生しない製品はどれか。

  1. アルミニウムの製錬
  2. れんがの製造
  3. りん酸の製造
  4. 三塩化りんの製造
  5. 溶成りん肥の製造

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

ふっ素やふっ素化合物の主な発生源は以下の通りです(製品にふっ素と付くものは自明なので、ここには書きません)。

  • アルミニウムの製錬用電解炉
  • りん酸肥料製造施設
  • れんが等の製造施設
  • ガラス製品製造施設

アルミニウムの製錬では、原料であるアルミナを電気分解してアルミニウムを得ますが、その工程において氷晶石(Na3AlF6)やふっ化アルミニウム(AlF3)といったふっ素含有物質が用いられます。

りん酸肥料製造では原料にりん鉱石を用いますが、このりん鉱石に数%のふっ素分が含まれています。選択肢(3)のりん酸の製造も同様にりん鉱石を使いますし、(5)の溶成りん肥はまさにりん酸肥料の一種です。ただし、(4)の三塩化りんの製造は塩素と白りんとの化合で生成するので、りん鉱石を使いません。

れんが等の製造では、原料に用いる粘土鉱物中に1%未満ではあるものの、ふっ素分が含まれます。れんがは製造工程に焼成があるため、この際にふっ化水素の形で発生しやすいです。

ガラス製品製造では、ガラスの原料として蛍石(CaF2)やけいふっ化ナトリウム(Na2SiF6)などを使うので、ふっ素が含まれます。

コメント