等速吸引に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。
吸引速度が、ダクトを流れる排ガス流速より大きい場合、測定されるダスト濃度は真のダスト濃度より( ア )なり、等速で吸引してもプローブの向きが排ガス流に対して傾いていると、ダスト濃度は真のダスト濃度より( イ )なる。また、この時の真の濃度との差は、ダストの粒子径が大きいほど( ウ )なる。
ア イ ウ
- 小さく 小さく 大きく
- 小さく 小さく 小さく
- 小さく 大きく 小さく
- 大きく 小さく 大きく
- 大きく 大きく 小さく
解 説
吸引速度が大きい場合、吸引口の周りにある排ガスも引っ張られるため、吸引するガス量は増えます。一方、同じく周囲にあるダストは、ある程度の重みを持っているため、吸引により軌道を曲げられることなく直進します。この性質のことを慣性といいます。
もちろん、軽いダストは排ガスと一緒に引っ張られてしまいますが、余計に吸った排ガスの分のすべてのダストを吸引できるわけではないので、全体としては実際の濃度よりも小さく計測されます。よって、(ア)は「小さく」になります。
等速で吸引してもプローブの向きが排ガス流れの向きに直面していないと、ダスト濃度は実際の濃度より小さく計測されます。これは、傾きがあることにより、吸引口の面積のうち、排ガス流れの向きに直面した面積(有効面積)が小さくなるためです。
真夏の太陽が南中したときの真上からくる日射量と、真冬の太陽が南中したときの斜めからくる日射量の違いをイメージするといいかもしれません。太陽自身は1年中同じ能力を持っていても、角度によって、受ける熱量は変わってきます。
あれと同様、吸引口も、斜めでは排ガスを効率良く受け切れません。よって、(イ)は「小さく」になります。
等速吸引時のダスト濃度測定における吸引速度は、ダストの粒子の大きさがないもの(=0)として考えています。そのため、本当に粒子径が0なら(有り得ませんが…)、その誤差もないといえます。実際には粒子径があるのでその分は誤差が生じ、その粒子が大きければ大きいほど、誤差も大きくなります。よって、(ウ)は「大きく」になります。
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