問 題
重油焚き火力発電におけるSO3に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 温度が低い領域でSO3が硫酸ミストと化し、機器の低温腐食の原因となる。
- アシッドスマットの形成には影響しない。
- 煙突からの紫煙の原因となる。
- アンモニアガスを注入し、硫酸アンモニウムとして固形化させ、集じんする方法が対策として有効である。
- SO2からSO3への転化率は、脱硝装置の設置に伴い(触媒酸化作用により)高くなる傾向を持つ。
正解 (2)
解 説
(2)のアシッドスマットは、acid(酸)+smut(塊、よごれ)に由来する言葉で、ばいじんと燃料中の硫黄分から生成した硫酸とが凝集してどろどろになったもののことを指します。
硫酸の生成過程をもう少し具体的にいえば、硫黄分Sが酸素O2と反応することで二酸化硫黄SO2となり、これが高温のガス中でさらに酸化されると三酸化硫黄SO3に変わります。ここで水分(水蒸気)が加わると硫酸H2SO4が生成します。
以上のことから、アシッドスマットの形成にSO3は大きく関わってくるので、(2)の記述が誤りです。
アシッドスマットの知識はあまり重要でも頻出でもないので、この問題は消去法で答えられればそれでよいかもしれません。
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