問 題
ア~ウの特徴をもつ燃焼装置の組合せとして、正しいものはどれか。
- ガスが層流となる流速条件では、火炎長はガス流速に比例するガス燃焼装置
- 低負荷でも良好な噴霧状態が維持可能で、油量調節範囲が広いバーナー
- ガス流速が、1~2m/s程度である固体燃焼装置
- ア イ ウ
- 拡散燃焼 油圧式 微粉炭燃焼
- 拡散燃焼 高圧気流式 気泡流動層燃焼
- 予混合燃焼 高圧気流式 ストーカー燃焼
- 予混合燃焼 回転式 気泡流動層燃焼
- 部分予混合燃焼 油圧式 微粉炭燃焼
解 説
この問題は、アが気体燃料、イが液体(油)燃料、ウが固体(石炭)燃料の話になっています。
アについて、これはまさに拡散燃焼の特徴が書かれているので、アは「拡散燃焼」となります。
拡散燃焼形装置では、燃料ガスと燃焼用空気とを燃焼室内で逐次混合させながら燃焼させます。
拡散燃焼において、噴出速度(ガス流速)がある程度より小さい領域を層流域といい、ある程度よりも大きい領域を乱流域といいます。層流域では噴出速度の増加にほぼ比例して火炎は長くなっていきますが、噴出速度が乱流域に入ると、さらに速度を上げても火炎の長さは変わらず、ほぼ一定のままとなります。
一方、予混合形装置では、燃料ガスと燃焼用空気をあらかじめ混合した後、燃焼させます。そのため、予混合火炎では、火炎面は混合気の流速と混合気の燃焼速度がつりあう位置に形成されます。
イについて、選択肢にある3種類のバーナーの噴霧方法を大雑把にまとめると、次の通りです。
- 油圧式 :油(燃料)そのものを加圧して噴霧する
- 回転式 :回転による遠心力で油(燃料)を噴霧する
- 高圧気流式:空気を高圧にし、それを油(燃料)にぶつけることで噴霧する
イの文章には「低負荷でも良好」や「油量調節範囲が広い」とありますが、上記のうち高圧気流式は、空気に掛ける圧力を調節すればよいので、比較的コントロールしやすいです。
一方、油圧式や回転式は燃料そのものに力を加えるので、あまりに少量または多量だとコントロールが難しくなります。
よって、イは「高圧気流式」となります。
ウについて、石炭の燃焼方法はガス流速により、固定層燃焼、流動層燃焼、微粉炭燃焼に大別されます。流動層燃焼はさらに気泡流動層燃焼と循環流動層燃焼に区分されます。
今回のようにこれらのガス流速の数値がたまに出題されるので、できれば数値を覚えておくとよいと思います(頻出ではないので、後回しでも構いません)。
- 固定層燃焼 :0.8~1.5 m/s
- 気泡流動層燃焼:1~2 m/s
- 循環流動層燃焼:4~8 m/s
- 微粉炭燃焼 :10~15 m/s
よって、ウには「気泡流動層燃焼」となります。
以上より、正解は(2)です。
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