R1年 汚水処理特論 問1 問題と解説

 問 題     

工程排水の管理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 洗浄工程では、複数の原料や製品を連続的に向流洗浄することによって、個別のバッチ洗浄と比較して排水量を著しく減少させることができる。
  2. 製品を精製することを目的とする工程からの汚濁物質(不純物など)は、排水量を減らすと汚濁物質濃度が高まるので、排水量を減らす必要はない。
  3. 製品となるべき成分が排水に漏れることによって生じる汚濁物質は、工程の改良や管理の適正化により減らすことができる。
  4. 工程から排出される汚濁物質量や濃度を減らす手段として、製造工程の変更による原料や薬品の変更、あるいは、それらの使用量削減がある。
  5. 少量の濃厚排水と希薄で大量の排水がある場合、それらの排水系統を分けて個別処理することで、処理コストを下げることが可能である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

この問題は、選択肢を見ていくとわかるように、理論というよりは理念が問われている問題です。よって、各選択肢に書かれていることが、工程排水の管理として望ましいものであるか否かという観点から考えてください。

そのような着眼点で(2)を見ると、前半に書かれている「排水量を減らすと汚濁物質濃度が高まる」というのはその通りです。

だからといって早々に改善を諦めて「排水量を減らす必要はない。」と結論を出すのではなく、製造プロセスを見直したり設備を改良したりすることで、汚濁物質濃度を下げつつ、さらには排水量を減らせないか検討していくことが望まれます。

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