R1年 ばいじん・粉じん特論 問15 問題と解説

 問 題     

ガス温度155℃、大気圧が101.3kPaで煙道内静圧(ゲージ圧)-5.4kPa、水分量10%(体積基準)を含む湿りガス2.0m3中に、ダストが5.7mg含まれていた。このとき、標準状態(0℃、101.3kPa)の乾き排ガス中のダスト濃度(mg/m3)は、およそいくらか。

  1. 3.8
  2. 4.2
  3. 4.7
  4. 5.2
  5. 5.8

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題はややアドバンスな内容です。出題頻度も低めなので、もし以下の解説を読んで難しいと感じた場合には、捨て問題扱いとしても仕方ないと思います。

まず、問われている乾き排ガス中のダスト濃度は、JIS Z 8808で以下のように定められています。

  • CN:標準状態における乾き排ガス中のダスト濃度 [mg/m3]
  • md:捕集したダストの質量 [mg]
  • V’N:標準状態における吸引した乾き排ガス量 [m3]

ここで、mdは問題文より5.7mgと与えられているので、V’Nを求めるのが当面の目標となります。標準状態における吸引した乾き排ガス量V’Nを求める式は以下のようになります。

  • V’N:標準状態における吸引した乾き排ガス量 [m3]
  • Vm:吸引したガス量(湿式ガスメーターの読み) [m3]
  • θm:ガスメーターにおける吸引ガスの温度 [℃]
  • Pa:大気圧 [kPa]
  • Pm:ガスメーターにおけるガスのゲージ圧 [kPa]
  • Pv:水分の蒸気圧

上式に出てくる定数の273は、[℃]を絶対温度[K]に変換するための補正です。また、101.3は標準気圧の101.3[kPa]からきています。

ここで、大体の数値は問題文で与えられていますが、水分の蒸気圧だけ記載がありません。しかし、ガスの気圧は大気圧と煙道内静圧から計算することができ、かつ、体積比でその10%が水分ということなので、水分の蒸気圧は次のように計算することができます。

よって、これらの値を(2)式に代入すると、次のように計算できます。

さらに、これを(1)式に代入すると、求める答えが得られます。

以上から、正解は選択肢(4)となります。

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