問 題
電気集じん装置に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 一般に、円筒形よりも平板形が広く用いられる。
- 中容量以上のものでは、垂直形よりも水平形が用いられる。
- 乾式は湿式に比べ、再飛散が生じないため、集じん率を高くできる。
- 一段式は二段式に比べ、再飛散防止に有効である。
- 対象粒子が硫酸ミストのように腐食性を持つときは、放電電極に鉛の被覆をすることがある。
解 説
(1)で、電気集じん装置は装置自体の形から平板形と円筒形に分けられますが、より一般的なのは平板形のほうなので、これは正しい記述です。
(2)で、電気集じん装置をガスの流れる向きで分類すると水平形と垂直形に分けられますが、容量が大きいときには水平形を使うのが普通です。ガス流量が多いとき、垂直型ではガスをうまく均一に流すのが難しいためです。よって、これも正しいです。
(3)で、乾式と湿式は文字通り乾燥状態のまま集じんするか、水を噴霧して湿らせて集じんするかの違いです。ダストに水を含ませたほうがくっつきやすくなって再飛散しにくいのはイメージしやすいと思います。よって、(3)の記述は反対になっているので誤りです。
(4)は正しい記述ですが、一段式と二段式はよく出題されるので重要事項として押さえておいてください。一段式と二段式というのは、荷電形式による分類です。ダストの荷電とダストの集じんを一緒にやるのが一段式で、それぞれを分けて行うのが二段式です。
一段式だと同じ場所で荷電と集じんを行うので、再飛散のリスクが減ります。二段式だと荷電部と集じん部が分かれているため、逆電離を避けることが可能です。
また、一段式だとダストを荷電させるためにスペースが必要なので、電極間隔をあまり狭くするわけにはいきませんが、二段式は荷電部と集じん部が分かれているため、集じん部での電極間隔を狭くすることで集じん電極面積を大きくすることが可能です。そのため、二段式は装置の大きさが小さくて済みます。
よって、一段式は再飛散の面でメリットが大きいので産業用として使われ、二段式は装置が小さいというメリットが大きいので、家庭用の空気清浄器などに用いられます。
(5)も記述の通りです。硫酸ミストによる腐食を防ぐには、鉛の被覆が有効です。
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