R1年 公害総論 問8 問題と解説

　問 題　　　　　

IPCC第4次評価報告書において、地球温暖化に伴い起こると予測されている様々な影響に関する記述として、誤っているものはどれか。

1. サンゴの白化の増加
2. 熱波、洪水、干ばつによる罹病率と死亡率の増加
3. 数億人が水不足の深刻化に直面
4. 湿潤熱帯地域と高緯度地域での水利用可能性の増加
5. 低緯度地域における穀物生産性の向上

 

 

 

 

 

　解 説　　　　

低緯度地域はただでさえ気温が高い傾向にあるので、地球温暖化によってさらに気温が上がると、干ばつや酷暑によって穀物が育ちにくくなってしまうことが想定されます。

一方で、中高緯度地域の中には、現状では気温が低すぎて穀物を育てにくい地域があります。こちらは地球温暖化によって穀物の生育に適した気温に近づくため、低緯度地域とは反対に穀物生産性の向上につながります。

よって、(5)の記述は誤りで、「穀物生産性の向上」を「穀物生産性の低下」に変えるか、あるいは「低緯度地域」を「中高緯度地域」に変えると正しい文章となります。