排水中の窒素化合物に関する記述として、正しいものはどれか。
- 排水基準の有害物質として規制されているのは、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物、硝酸化合物、有機体の窒素化合物である。
- アンモニア性窒素をインドフェノール青吸光光度法で定量する場合、前処理としての蒸留操作は必要ない。
- アンモニア性窒素をイオンクロマトグラフ法で定量する場合、前処理としての蒸留操作は必要である。
- 亜硝酸化合物をナフチルエチレンジアミン吸光光度法で定量する場合、直ちに試験できないときには、試料を冷凍保存する。
- 亜硝酸化合物をイオンクロマトグラフ法で定量する場合、保存処理は行わず、直ちに試験を行う。
正解 (5)
解 説
(1)で、排水基準の有害物質として規制されているのは、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物、硝酸化合物の4種類です。有機体の窒素化合物は規制対象ではありません。よって(1)は誤りです。
(2)で、アンモニア性窒素は(1)で示した4種類のうち、アンモニアとアンモニウム化合物を指します。ここで、インドフェノール青吸光光度法の前に蒸留操作をしないと、有機体の窒素化合物やほかの妨害物質によって測定誤差を与えてしまう可能性があります。
事前に蒸留をすればこれらを除去してアンモニアとアンモニウム化合物だけを残せるので、正しくアンモニア性窒素を測定することができます。よって、蒸留操作は必要なので、(2)も誤りの記述です。
(3)で、イオンクロマトグラフ法を用いるのであれば、アンモニア性窒素以外に有機体の窒素化合物が含まれていたとしても、カラムで分離されるので、これらの余計な化合物が測定誤差を与えるようなことにはなりません。よって、事前の蒸留操作は不要なので、(3)も誤りの記述です。
(4)は保存方法が誤りで、「冷凍保存する」ではなく「クロロホルムを添加して0~10℃の暗所に保存」です。よってこれも誤りです。
(5)が正しい記述で、亜硝酸化合物をイオンクロマトグラフ法で分析する場合には保存が効きません。採水後速やかに測定を行う必要があります。
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