清涼飲料水工場及びビール工場からの排水処理に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 清涼飲料水工場からの排水中の有機物のほとんどは、糖質と有機酸である。
- 清涼飲料水工場からの排水処理では、ラグーン方式を適用した例がある。
- ビール工場からの総合排水のBOD濃度は、都市下水のBOD濃度(200mg/L程度)よりも高い。
- ビール工場からの総合排水は、前段のUASB法と後段の活性汚泥法で処理されることがある。
- COD総量規制地域にあるビール工場では、総量規制に対応するため、凝集沈殿+砂ろ過+逆浸透膜の高度処理フローを追加する必要がある。
正解 (5)
解 説
ビール工場の排水処理で有名なのは、(4)にもあるように「UASB法+活性汚泥法」です。UASBの特徴として、高濃度有機排水の処理に有用ですが、基準値以下まで一気に下げることは難しいです。そのため、UASBで大雑把にCODを除去して、後処理として活性汚泥法などを行うのが一般的です。
一方、COD総量規制対象地域にあるビール工場で(下水道放流ではなく)湾などに直接放流する場合には、総量規制に対応する必要があるので、「UASB法+活性汚泥法」に加えて、高度処理フローを追加する必要があります。この高度処理フローが、「凝集沈殿+砂ろ過+活性炭吸着」です。
つまり、(5)の「逆浸透膜」が誤りで、正しくは「活性炭吸着」となります。
逆浸透膜は海水の淡水化に使われたり、重金属の除去に使われたりする通り、イオンの除去に向いています。しかし、ビール工場の排水はCODが問題となるので、有機物の除去に向いている活性炭吸着を採用しています。
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