大気境界層に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 高度1~2kmまでの大気層は、地表面の熱的影響、力学的影響を直接に受ける部分で、大気境界層と呼ばれている。
- 平坦地上に形成される境界層は、混合層、接地安定層及び中立境界層に大別される。
- 地上30~50mまでの層では、熱と運動量の鉛直フラックスが高度により大きく変化する。
- 一般にコンスタントフラックス層では、風速、温度の鉛直変化が大きい。
- 海岸など、水平方向に非一様な地表面上には、内部境界層が形成され、煙の拡散に影響を及ぼす。
正解 (3)
解 説
(3)と(4)に関連して、大気境界層の最下部に位置する地上30~50mまでの層はコンスタントフラックス層と呼ばれます。これは名前の通り、熱と運動量の鉛直フラックスが(この層の間では)高度によらずほぼ一定となります。
よって、(3)の「大きく変化する」は誤りで、正しくは「ほとんど変化しない」となります。
フラックスというのは流束のことなので、鉛直方向の熱や運動量の変化する度合いが一定、というような意味合いです。ただし、変化する度合いは一定ですが、その度合が結構大きいところで一定であるため、風速や温度の鉛直変化が大きく、(4)の内容は正しいといえます。
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