H28年 大気特論 問14 問題と解説

JISの紫外線蛍光方式による排ガス中のSO2自動計測器に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 試料ガス中のSO2は紫外線を吸収して励起状態になる。
  2. 出力(蛍光の強度)と濃度は、0~数千ppmの範囲で直線関係にある。
  3. 蛍光室に対して光源部、測光部を直線上に配置する。
  4. 測光部には蛍光を選択的に透過させる光学フィルターを配置する。
  5. 芳香族炭化水素など蛍光を発するものは、スクラバーなどで除去する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

紫外線蛍光方式は、(1)の通り、紫外線を吸収して励起状態となったSO2が発する蛍光の強度を測定する方法です。

この蛍光の強度を測定するのが目的であるのに、(3)のように光源部と測光部を蛍光室の直線状に配置してしまうと、測光部は蛍光のほかに光源からの光も拾ってしまうことになり、データに誤差が生じます。

蛍光自体は全方向に(放射状に)光が進むので、光源部と測光部を蛍光室に対して直角の位置に置くことで、測光部は蛍光の光は拾うけれど、光源の光は入ってこないようにすることができます。

よって、(3)の「直線上」が誤りで、正しくは「直角の位置」となります。

また、紫外線蛍光方式では芳香族炭化水素が妨害物質となるので、これらが含まれているときは(5)のような対処が必要です。

測定方法と妨害物質の組み合わせは頻出なので、ぜひ覚えておいてください。

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