成人1人が1日当たり排出する生活排水中の汚濁物質の原単位(g/(人・日))の大きい順に並べたとき、正しいものはどれか。
- BOD > COD > 全りん > 全窒素
- BOD > COD > 全窒素 > 全りん
- BOD > 全窒素 > COD > 全りん
- COD > BOD > 全りん > 全窒素
- COD > 全窒素 > BOD > 全りん
解 説
生活排水中の汚濁物質の原単位はたびたび出題されますが、
となっています。よって、BOD>全窒素>全りんが成り立つことがわかります。CODについてはわからなくても、この関係を満たすのが選択肢(2)と(3)だけなので、この時点で二択まで絞ることができます。
一方で、話は変わりますが一律排水基準について考えると、その基準は以下のようになっています。
- BOD :160mg/L
- COD :160mg/L
- 全窒素:120mg/L
- 全りん:16mg/L
今回は基準ではなく実績を比較する問題ですが、基本的には基準が緩いものは多く排出し、基準が厳しいものは排出量も少なくなっています。つまり、BODやCODが多く、全りんは少ないといえます。
このような考察から答えが(2)だと判断することができます(この流れだとBODとCODのどちらが大きいかがわかりませんが、それでも答えが絞れるような選択肢となっています)。
ちなみに、やや応用的な話になりますが、BODとCODでは生活排水だとBODのほうが2倍くらい大きくなります。それは、BODとCODの測定方法の違いによるためです。BODは好気性微生物によって分解される水中の有機物量を測定し、CODは酸化剤(過マンガン酸カリウムなど)によって分解される水中の有機物量を測定しています。
どちらも有機物の量を調べるため、同じような値をとってもおかしくはないのですが、実際には有機物の種類によって微生物・酸化剤のそれぞれで分解しやすいものと分解しにくいものがあります。
生活排水に含まれるのは高分子有機化合物(タンパク質や脂質など)であり、これら分解するのが得意なのは酸化剤よりもむしろ微生物のほうなので、結果として、BODのほうがCODよりも大きくなります。
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