H25年 汚水処理特論 問19 問題と解説

生物処理装置の維持管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 曝気槽中に溶存酸素計を設置するときは、原水の流入場所がもっともよい。
  2. 活性汚泥のSVIは、高い方が沈降性はよい。
  3. 窒素除去のためには、通常の活性汚泥処理よりSRTを小さくとる。
  4. 接触曝気法では、生物膜が厚くなりすぎないように維持管理する。
  5. 嫌気処理法では、30℃以上の高温にならないよう管理する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)について、原水の流入場所に設置してしまうと、測定値が原水の酸素量に依存してしまいます。曝気槽全体の溶存酸素がどうなっているのかを知りたいのであれば、水が充分に撹拌されていると考えられるポイント、つまり、曝気槽の出口寄りに設置すべきです。

(2)で、SVIとはSludge Volume Indexの略で、汚泥容量指標のことです。これは、MLSS濃度に対する30分間静置後の汚泥容積の比で表されます。沈降性がよければ汚泥容積は小さくなりますが、そうするとSVIは低くなります。

(3)について、SRT(Sludge Retention Time)は、汚泥滞留時間のことです。窒素除去にはある程度の時間が掛かりますので、ここを重点的にやりたければSRTは大きくしなければなりません。

(4)で、生物膜が厚いと、中のほうに潜っている微生物が酸素に触れられなくなってしまいます。すると、その微生物は水処理に参加できないばかりか酸欠で死んでしまう恐れがあるので、注意が必要です。

(5)は、ひとことに嫌気処理といっても微生物によって最適温度は様々です。よく使われる温度帯は2種類あり、それぞれ中温消化、高温消化と呼ばれます。中温消化は30~38℃程度、高温消化は50~55℃程度の温度帯を指します。

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