R7年 公害総論 問12 問題と解説

 問 題     

騒音及び振動に関する記述中、ア~ウの(  )の中に挿入すべき語句・数値の組合せとして、正しいものはどれか。

・近年の騒音に係る苦情件数は、典型七公害の総苦情件数の( ア )%を超えている(総務省公害等調整委員会:令和4年度公害苦情調査結果報告書による)。

・航空機騒音に係る評価は1日ごとの( イ )を算出し、全測定日について、そのパワー平均を算出する。

・在来鉄道騒音については、「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針」が定められ、この指針では騒音の評価量として( ウ )が用いられている。

  • ア        イ            ウ
  1. 20  時間帯補正等価騒音レベル   騒音レベルの最大値
  2. 30  加重等価平均感覚騒音レベル  騒音レベルの最大値
  3. 30  時間帯補正等価騒音レベル   等価騒音レベル
  4. 40  加重等価平均感覚騒音レベル  騒音レベルの最大値
  5. 50  加重等価平均感覚騒音レベル  等価騒音レベル

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

この設問は、出題頻度の低い用語が選択肢に並んでいるため、やや難しいです。(ア)は正確に答えたい内容ですが、(イ)と(ウ)はマイナーな知識といえるため、(ア)だけ答えて2択まで絞ることができれば、あとは運任せにしてしまっても仕方ないと思います。

( ア )について、典型7公害の苦情割合は、近年は騒音が3~4割で最も多く、次に大気汚染が3割弱、その次に悪臭が2割程度…と続いています。

この傾向はしばらく続いていますが、順位が入れ替わることもあるので、試験前には最新の情報を総務省の公害苦情調査結果から確認しておいてください。

よって、( ア )には「30」を入れるのが適切です。

( イ )について、選択肢にある「時間帯補正等価騒音レベル」は、昼・夕・夜の時間帯ごとに補正をかけて、1日全体の騒音を総合評価する指標です。現在、これが航空機騒音の評価基準となっています。

一方、「加重等価平均感覚騒音レベル」は、かつて使われていた古い指標で、騒音レベルや発生回数に人の感覚的な重みを加えて平均化した値を評価していました。

よって、( イ )は「時間帯補正等価騒音レベル」となります。

( ウ )について、選択肢にある「騒音レベルの最大値」は、一番大きい瞬間的な音の強さを指します。新幹線など、単発音が支配的な場合に使われることが多い指標です。

一方、「等価騒音レベル」は、一定時間内の騒音エネルギーを平均化したものです。時間帯を通しての騒音暴露量を示し、在来鉄道など繰り返し音が続く場合に適した指標です。

よって、( ウ )には「等価騒音レベル」が入ります。

以上から、

  • ア:30
  • イ:時間帯補正等価騒音レベル
  • ウ:等価騒音レベル

となるので、正解は(3)です。

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