R7年 汚水処理特論 問9 問題と解説

 問 題     

汚泥の焼却に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 燃料消費量は、汚泥の水分量や有機物の含有量に影響される。
  2. ダイオキシン類の発生を抑制するために、適正な燃焼温度管理に留意する。
  3. 流動焼却炉では、炉の中に砂などの流動媒体を入れ、この流動層内に汚泥を供給して燃焼させる。
  4. 流動焼却炉は、炉内に機械的可動部がない。
  5. 階段式ストーカー炉では、脱水汚泥の撹拌作用が強いため、高含水率汚泥に対しても、予備乾燥なしで対応できる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。汚泥の水分や成分によって燃えやすかったり燃えにくかったりするので、それに応じて燃料消費量も変動します。

(2)も正しいです。ダイオキシン類の発生を抑制するためには「850℃」程度の高温が必要です。今回は具体的な温度は示されていませんが、これは重要事項として覚えておきたい数値です。

(3)も正しいです。流動焼却炉では炉の中に砂などの流動媒体を入れ、下方から高温ガスを送入して流動化させ、この流動層内に汚泥を供給して燃焼させます。

(4)も正しいです。(3)の解説の通り流動焼却炉では砂を流動媒体にしていて、炉内に機械的可動部がありません(少ないどころか、ありません)。

ちなみに、階段式ストーカー炉では、脱水汚泥は炉内に供給され、可動床の往復運動によりストーカー上をゆっくり降下移動し、乾燥、焼却、灰化されます。そのため、こちらは炉内に機械的可動部が多くなります。

(5)が誤りです。(4)の解説の通り、階段式ストーカー炉では、脱水汚泥は炉内に供給され、可動床の往復運動によりストーカー上をゆっくり降下移動し、乾燥、焼却、灰化されます。つまり、流動焼却炉のように脱水汚泥の攪拌作用がないため、高含水率汚泥に対しては予備乾燥が必要となります。

以上から、正解は(5)です。

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