R7年 汚水処理特論 問11 問題と解説

 問 題     

BOD 500mg/L、流量100m3/日の排水を沈殿池でSSを自然沈降させ、その越流水を活性汚泥法で処理している。

沈殿池への流入水のBODは、溶解性BODと懸濁性BODが50%ずつを占め、懸濁性BODの80%が沈殿池で除去されている。

活性汚泥法の曝気槽でのBOD汚泥負荷(kgBOD/(kgMLSS・日))を求めよ。曝気槽の容積は100m3、MLSS 2000mg/Lとする。

  1. 0.10
  2. 0.15
  3. 0.20
  4. 0.28
  5. 0.32

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

問題文には、BOD、流量、曝気槽容積、MLSS濃度の4つの数値が与えられていて、さらにBOD汚泥負荷が問われています。この5つのパラメータが登場した場合、以下に示すBOD汚泥負荷の公式を思い出してください。

これは汚水処理特論で本当によく使う公式なので、きちんと覚えておくことをお勧めします。

  • L:BOD汚泥負荷 [kgBOD/(kgMLSS・日)]
  • BOD:BOD濃度 [mg/L]
  • Q:流入水量 [m3/日]
  • MLSS:MLSS濃度 [mg/L]
  • V:曝気槽の容量 [m3]

上式の右辺に各数値を代入していけば、問われているBOD汚泥負荷Lを求めることができます。右辺のパラメータのうち、問題文からQ=100、MLSS=2000、V=100は明らかです。

残るBODについて、初期条件では500[mg/L]と与えられていますが、そのうち溶解性BODと懸濁性BODが50%ずつなので、それぞれ250[mg/L]ということになります。

さらに、懸濁性BODの80%が沈殿池で除去されるので、懸濁性BODのうち250×0.8=200[mg/L]が除去され、残りの50[mg/L]が後段の曝気槽へと進みます。つまり、活性汚泥法の曝気槽に流入するBODは以下の(2)式で表すことができます。

よって、冒頭で示した(1)式を使うと、BOD汚泥負荷Lは次のように計算することができます。

以上から、正解は(2)となります。

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