問 題
生物膜法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 硝化菌などの増殖速度の遅い微生物を保持できる。
- 阻害性物質の流入や負荷変動などに対し抵抗力が強いケースが多い。
- SSの除去能力が高く、処理水の透視度が高い。
- 固定床では剝離した微生物が支持体を閉塞させることがある。
- 包括固定化法は、担体製造時に硝化菌など特定の機能を持った微生物を事前に閉じ込めたものである。
正解 (3)
解 説
生物膜法は、微生物を支持体である固体表面に膜状に固定して処理を行う方法です。
(1)は正しいです。生物膜法は汚泥滞留時間(SRT)を調整しやすく、SRTを長くすれば増殖速度の遅い微生物を保持することができます。
(2)も正しいです。生物膜法は活性汚泥法などと比べて、阻害性物質の流入や負荷変動に対して抵抗力が強いです。
(3)が誤りです。生物膜法では、支持体からはく離した汚泥は沈降性が悪く、SSの除去能力が低いです。そのため、処理水の透視度も低くなります。この点は、生物膜法が活性汚泥法よりも劣っている点となります。
(4)は正しいです。高負荷運転を行うと、固定床でははく離汚泥により支持体の閉塞が起こりがちです。
余談ですが、生物膜法の一種である担体添加法は例外で、閉塞の心配はありません。担体添加法とは、曝気槽に担体を添加し、曝気により流動状態を維持しながら酸化分解する方法です。
(5)も正しいです。これはマイナーな知識ですが、包括固定化法は、担体製造時に硝化菌など特定の機能を持った微生物を事前に閉じ込めたものです。一方で、支持体に微生物を保持する方法は結合固定化法といいます。
以上から、正解は(3)となります。

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