問 題
カドミウム及び鉛に関する記述として、誤っているものはどれか。
- カドミウムは、アンモニア錯イオン(アンミン錯体)のような安定した錯体を形成する。
- カドミウム排水を過剰の硫化ナトリウムで処理するときは、アルカリ性で鉄塩の併用が必要である。
- 鉛は、塩酸には少しずつクロロ錯体となって溶解する。
- 水酸化鉛は、pH8以上のアルカリ性で水酸化錯イオンをつくって再溶解する。
- キレート剤を含む鉛排水の処理で水酸化物法や共沈法が適用できない場合は、置換法が有効である。
正解 (2)
解 説
(2)に関して、硫化物法は、硫化物イオンと重金属イオンを反応させて不溶性の硫化物を生成させ、これを沈殿分離する方法です。これは重金属の硫化物の溶解度が低いことを利用した方法であり、pH中性領域での処理が可能という特徴があります。
硫化物法では、硫化ナトリウム過剰存在下では再溶解することによって硫化物が生成しづらいので、鉄塩を併用するのが一般的です。しかし、鉄塩を併用した場合でもアルカリ性条件下では再溶解が起こってしまいます。
硫化物法の適正pHはとにかく「中性」だと覚えてください。これは、カドミウムでも水銀でもその他の重金属でも共通して当てはまることです。
よって、(2)の「アルカリ性」が誤りで、正しくは「中性」なので、正解は(2)となります。

コメント