R7年 水質有害物質特論 問13 問題と解説

 問 題     

還元気化原子吸光分析法による総水銀の測定に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 有機水銀を除くすべての水銀化合物が測定対象である。
  2. 試料に硫酸、硝酸、過マンガン酸カリウム及びペルオキソ二硫酸カリウムを加えて加熱し、水銀化合物を水銀(Ⅱ)にする。
  3. 塩化すず(Ⅱ)を加えて、水銀(Ⅱ)を金属水銀にする。
  4. 空気を循環通気して水銀蒸気を発生させ、吸光度を測定する。
  5. 硝酸を加えてpH約1とした試料をガラス瓶に保存した場合は、1か月以内に試験を行う。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

還元気化原子吸光分析法に関する出題は珍しいですが、決して捨て問題ではありません。知識がなくても解ける問題なので、見慣れない設問でも安易に捨て問題と判断せず、考えることでなるべく得点につなげてほしいと思います。

まず、問題文を読むと、還元気化原子吸光分析法は「総水銀」を測定できる方法であることがわかります。

その上で(1)を読むと「有機水銀を除くすべての水銀化合物が測定対象」と書かれていますが、有機水銀を除いてしまったら総水銀ではなくなります。それはもう無機水銀です。

問題文が誤っているわけはないので、還元気化原子吸光分析法で総水銀が測定できるのは確実であり、それならば(1)の「有機水銀を除く」が余計だと判断することができます。

よって、正解は(1)となります。

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