R7年 大気特論 問11 問題と解説

 問 題     

排煙脱硝技術に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. アンモニア接触還元法は、我が国で最も採用実績が多い湿式脱硝技術である。
  2. アンモニア接触還元法において、NOとアンモニアは1:1のモル比で反応する。
  3. 無触媒還元法において、アンモニアと同時に水素を添加することで、NOの還元温度を低下させることができる。
  4. 無触媒還元法において、還元剤に尿素を用いる方法も実用化されている。
  5. 活性炭法は、同時脱硫・脱硝技術である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)は誤りです。排煙脱硝技術には、乾式に分類されるアンモニア接触還元法・活性炭法・無触媒還元法と、湿式に分類される酸化還元法があります。よって、(1)の「湿式」を「乾式」に直すと正しい文章となります。

(2)は正しいです。アンモニア接触還元法とは、以下に示すアンモニアとNOxとの反応により、NOxを無害な窒素に変える処理方法です。下式の通り、NOとアンモニアは1:1のモル比で反応します。

(3)と(4)はともに正しいです。無触媒還元法は、アンモニアや尿素などを還元剤としてNOxをN2に還元する方法です。水素を添加するとNOxを還元しやすくなり、反応温度を200~300℃低下させることができます。

(5)も正しいです。活性炭法の特徴といえば、同時脱硫・脱硝が可能である点が重要です。蛇足ですが、活性炭はアンモニア存在下でNOxを還元する触媒として働きます。

以上から、正解は(1)となります。

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