R7年 大気有害物質特論 問2 問題と解説

 問 題     

製品と、それに含まれる又は製造過程で発生する有害物質との組合せとして、誤っているものはどれか。

  •   (製品)         (有害物質)
  1. ガラス繊維        ふっ化けい素
  2. 過りん酸石灰       ヘキサフルオロけい酸
  3. 活性炭(水蒸気活性化法)  塩素
  4. クロロホルム       塩化水素
  5. リサージ         鉛

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。ガラス繊維製造では、ガラスの原料として蛍石(CaF2)やけいふっ化ナトリウム(Na2SiF6)などを使うので、ふっ化けい素(SiF4)が発生します。

(2)も正しいです。過りん酸石灰はその製品中にヘキサフルオロけい酸を含んでいます。この知識自体はややマイナーなので覚えていなくても仕方ありませんが、りん酸系の物質はふっ素やふっ素化合物と関連が深いことから、おそらく正しい…くらいに思えればよいと思います。

(3)が誤りであるため、これが正解です。これは出題頻度から見てもやや難しい部類なので、消去法で答えられればそれで十分かもしれません。

水蒸気活性化法は、原料をまず炭化して炭化物(C)を作り、その後に800~1000℃程度で水蒸気を当てて一部をガス化(C+H2O → CO+H2)させることで細孔を掘る方式です。そのため、一酸化炭素や水素は生じますが、(3)のように塩素が生じる仕組みにはなっていません。

(4)は正しいです。クロロホルムは工業的にはメタンの塩素化で製造され、その工程中で塩化水素が発生します。

(5)も正しいです。クリスタルガラスの原料にはリサージと呼ばれる黄色~橙色の粉末が含まれますが、このリサージの主成分は酸化鉛です。よって、リサージには鉛が含まれています。

以上から、正解は(3)となります。

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