H23年 水質有害物質特論 問14 問題と解説

ガスクロマトグラフィーにより化合物aの定量を行うため、5mg/L、20mg/L及び50mg/Lの化合物a標準溶液を各3回ずつ分析したところ、以下の結果が得られた。

(標準溶液濃度、mg/L)(ピーク面積)

  •  5   1.83、1.79、1.78
  • 20   7.22、7.21、7.18
  • 50   18.2、18.1、17.8

次に試料500mLをヘキサンで抽出し、前処理を行い、最終的に5.0mLのヘキサン溶液として同様の条件で分析したところ、ピーク面積が10.8となった。試料中の化合物aの濃度(mg/L)はおよそいくらか。

  1. 0.30
  2. 0.40
  3. 3.0
  4. 4.0
  5. 30

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

まずは標準溶液の各濃度で3つずつのピーク面積が与えられているため、それぞれの平均を出します。それぞれ3つの数字を足してから3で割ると、以下のような計算結果となります。

  • 標準溶液5mg/L→ピーク面積1.80
  • 標準溶液20mg/L→ピーク面積7.20
  • 標準溶液50mg/L→ピーク面積18.0

上記のどれを使ってもいいのですが、ここから、ピーク面積は標準溶液の0.36倍であることがわかります。また、化合物Aの濃度aは、ピーク面積が10.8なので以下の計算によって求めることができます。

問題文より、もともと500[mL]あった試料を前処理によって5.0[mL]まで濃縮していて、その濃度が計算で出した30[mg/L]です。つまり、100倍濃縮した値を元に戻すためには100倍希釈すると考えればよいので、求める答えは、

となります。

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