R6年 水質概論 問1 問題と解説

 問 題     

「水質汚濁に係る環境基準について」に規定する別表2生活環境の保全に関する環境基準として河川(湖沼を除く)の利用目的の適応性の基準値に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

1 基準値は、(1)日間平均値とする。ただし、(2)一般細菌数に係る基準値については、(3)90%水質値(年間の日間平均値の全データをその値の(4)小さいものから順に並べた際の0.9×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値(0.9×nが整数でない場合は端数を切り上げた(5)整数番目の値をとる。))とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。

2~6 (略)

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

この問題の文章は法律の条文などではなく、告示(昭和46年環境庁告示59号)からの出題です。重要な条文というほどではないので、知識として覚えておく必要はないと思います。そこで、文章の内容からアプローチしていくことになります。

結論からいえば(2)が明確に誤りなので、これをしっかり見極めたいです。ほかの選択肢は全て正しいですが、「90%水質値」という用語やその評価の仕方はさほど重要事項ではないため、(2)以外の選択肢の正誤が判断できなくても仕方ないと思います。

(2)に関して、自然界には多くの細菌群が生息していて、そのことで人の健康や自然環境に大きな悪影響が生じるわけでもありません。よって、河川での「一般細菌数」の環境基準を定めて基準値以内に抑えようとする必要もありません。

飲料水の水質基準などでは「一般細菌数」の項目がありますが、河川の環境基準にはないため、(2)が誤りだと判断することができます。

なお、「一般細菌数」のところを「大腸菌数」に変えると問題文は正しい文章となります。大腸菌は一般的には河川の水に含まれておらず、これが検出されるということは、糞便が下水道で処理されずにそのまま河川へ流出してしまっていることが考えられます。

以上から、正解は(2)となります。

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